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【映画】『カメラを止めるな』の感想を極力ネタバレせずに書いてみる

※この記事は、映画の内容について若干のネタバレを含みます。ネタバレを好まない方は映画を見た後お読みください。

 

今、『カメラを止めるな』という邦画が話題になっています。

 

 

私は当初知らなくて、友人に連れられて鑑賞してきました。

好みはあると思いますが、非常に面白い作品です。

本作は上記tweetの通り、ネタバレが命取りの映画なのでできるだけ前情報はなしで見ていただきたい作品です。

今回は、感想も極限まで内容に触れないようにまとめたいと思います。

 

kametome.net

本作のポイントは1:低予算、2:伏線回収、3:メタ的構成の3つです。

ゾンビ映画というありがちなテーマで、ここまでのヒットに至った理由がこの3点に詰まっていると思います。

 

 

 

ポイント1:低予算

1点目は低予算。

とにかく低予算です。その額なんと300万円。私でも出せそう…。

diamond.jp

映画監督・俳優養成スクールプロジェクトとして製作された作品とのことで、今後の活躍が期待されるメンバーのためにチャンスを与えるのが趣旨だったのでしょう。

 

この低予算という点、ヒットにあたってなぜ重要かというと、本作の以下のポイントはなによりこの予算制約があったからこそ生み出されたのだと思うからです。

 

もちろん予算はあるほうがいろいろな選択肢を取れると思います。

しかし、予算が大きいと失敗できないという圧力が大きくなります。

その結果、今映画業界で起こっているのは、原作ありきの作品作り/シリーズものの大量生産、つまり安牌映画の量産です。

本作がヒットした背景として、この低予算という制約が奏功しユニークな作品になった面もあると思います。

 

ポイント2:伏線回収

 2点目は、伏線回収。

本作は、映画の構成が大きく前半と後半に分かれますが、前半で伏線を散りばめ、回収していく形式になっています。

ですので前半は鑑賞しながら違和感の塊です。それを後半で解消していきます。

そういった意味では、いわゆるゾンビ映画で感じられるような、スリルと終わった後のカタルシスを求めていくと、ちょっと違う結末になります。

 

ちなみに、個人的には、「この作品面白い!」という話題性もある意味伏線になっているように感じています。

前半で「なんか違和感あるし全然面白くないぞ」となっているところで、後半の「なるほどな~」というすっきり感が味わえます。

 

ポイント3:メタ的構成

 3点目は、メタ的構成。本作は、テーマとして「ゾンビ」であるものの、普通のゾンビ映画とは少し違います。

何が違うかというと、「ゾンビ映画を撮影する人たち」が主人公になっているということ。

映画の中で、撮影をしている状況。そして、それを撮影するカメラの存在がたびたび言及されます

観客もメンバーの1人かのように話が展開していくのです。

映画の開始段階から作品カメラの存在が作品内で認識されている映画もなかなかないと思います。

 

所見:映画はどうあるべきか?

こんな批判もあるわけですが、私は上記の通り、「低予算だった」という点は本作の存在の根幹にあると思っていますし、予算の多寡とここで指摘されているデフレマインドとは無関係だと思います。

 

予算があるということは、それだけ大規模な撮影や有名なキャスト、様々な効果を利用できるという反面、収益目線のハードルが高くなったり、有名俳優を採用することで金太郎あめ映画になったりもするわけです。

また、配給会社等は予算をつけるからには売れるものを選択するという合理的な意思決定を行うため、リスキーな無名の監督、脚本化等の作品作りにお金がつかないのは当然です。その結果、起こっているのは、上述の安牌映画の量産です。

故に、一映画として良い作品か否かは、予算で決まるとは限らないと思います。

 

最近では、アニメ映画の『この世界の片隅に』が予算の制約がある中でクラウドファンディングで資金を集めて大ヒットとなりました。

www.finance-neko.com

 ハリウッドでも、今では大人気のシリーズである『ターミネーター』も、初回は単なるB級映画でした。

d.hatena.ne.jp

低予算でも面白くする技術というのは、それこそ、最新技術や俳優に頼らなくても観客を沸かせることが出来うるという点で、非常に貴重ではないでしょうか?

正直、お金をふんだんにつかったハリウッド映画もすでにマンネリ化しつつあり、停滞感が漂っています。

その解決策は、実は、こういった制約の中で悩みながら生み出された作品の中にあるのではないかと思います。

 

※おまけ:低予算でヒットした映画

低予算でヒットする映画というのは昔から一定程度の数があるようです。

cinefil.tokyo

やはり、こういった作品を見出すのは映画ファンの見識だと思うので、一映画ファンとしてはどんどんB級映画もトライしていきたいです(?)