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【映画】『GODZILLA-星を喰う者-』なぜこんなにつまらないのか

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※この記事は、映画の内容について若干のネタバレを含みます。ネタバレを好まない方は映画を見た後お読みください。

 

アニメ『GODZILLA』三部作がやっと終わりました。

godzilla-anime.com

 

本作1部の時点で結構駄作感が出ていましたが、結局三部終えても消化不良感がぬぐえませんでした。

 

 

1:原作=虚淵玄

本作の売りの1つであり、私が問題の元凶であると思うポイントが、

原作=虚淵玄

という、近時において必ず売れるといっても過言ではないヒットメーカーがこのGODZILLAの原作を書いていること。

最近の虚淵関連でヒットした作品を挙げていくと、

魔法少女まどか☆マギカ』(脚本)

www.madoka-magica.com

 

Fate/zero』(原作)

www.fate-zero.com

 

『SYCHO-PASS』(脚本)

psycho-pass.com

 

本来なら安牌映画のはずだったんだと思うんですよね…

でも個人的には、壮大なハズレ作品としか言いようがありませんでした。

なお、上記有名アニメ3作品は当方もすべて見ており、すべてお気に入りの作品です。

むしろ虚淵作品は好きなほうです。

 

2:人間同士の争いが焦点

虚淵作品の得意分野というのか、共通している作風としては、「人間同士の感情のもつれ・争い」を細やかな描写で描いている点にあると思います。

特に、彼の描くキャラクターたちは、必ずといっていいほど"利他主義的行為"と"利己主義的行為"の間で揺れ動きます。

 

彼の描く主人公は、能力的には十分に強くとも感情面で単なる"人間"として描かれており、「その能力をどのように使うのか?」について葛藤する場面がほぼ必ず登場します。

そして、もう1つその際にカギとなっているのは、「究極的に合理的思考を行う善悪いずれとも評価しうる存在」が登場することです。

 

本作においても、『GODZILLA』という名を冠してはいるものの、あくまでも"人間同士の争い"が主題となっている点についてはその他の虚淵作品と異なりません。

そして、これが今回の作品の"拍子抜け感"の要因でもあります。

www.finance-neko.com

2作目を観終わったタイミングでこのようなエントリを書いたように、怪獣同士・人間との戦いは非常に短い時間しかなく、最終作での本格的なバトルを期待しつつ消化不良のまま終えていました。

そして、結果として、この消化不良感は3作目を終えても変わらず残り続けてしまいます。虚淵作品の得意とする、人間同士の利己的な闘争を詳細に描くあまり、ゴジラ本来の怪獣バトルが横へ追いやられており、「コレジャナイ」感が非常に残ります。

 

まとめ:怪獣バトルがおまけである悲しみ

まどマギ』でも『Fate/zero』でも『SYCHO-PASS』でも、同じように普通なら描くメインテーマ(魔法少女聖杯戦争、執行官としての犯罪取り締まり)そのものではない、感情の機微にフォーカスし、非常に面白い作品となっているにもかかわらず、『GODZILLA』ではそれがハマらなかった理由は何でしょうか?

考えられる点としては2点あります。

ゴジラという確立したイメージがすでにあった

ゴジラは1954年の初代映画以来、脈々と続く長寿コンテンツです*1

この長い歴史の中で、『ゴジラ』は怪獣映画における圧倒的な知名度と認知度を誇っています。であるがゆえに、観衆は"ゴジラに求めるもの"が確立されたうえで映画館に訪れます(かくいう私もそうでした)。

今回の虚淵作品の試みは、『ゴジラ』のイメージから離れた作品づくりであったところに新規性・特徴があったものの、それがゆえにファンからすると違和感があったものと思われます。

 ところで、同様にこれまでの『ゴジラ』的イメージを覆したもの・人間性を詳細に描写した作品として、メガヒットとなった『シン・ゴジラ』があります。
www.finance-neko.com

なぜ、『シン・ゴジラ』は人々の関心を読んだにもかかわらず、本作は刺さらなかったのでしょうか?

これは、『シン・ゴジラ』が徹底したリアリティ(ゴジラが現れた場合に人間がどう対応するか?その際の人間のエゴ)を表現しており、その精緻さは大変納得感があるものであったのに対し、本作はSF的設定の上で展開される未知の環境・未知の民族間での衝突であり、共感がしずらかったという点が大きかったように思います。 

 

②映画という短い期間で完結する必要があった

これまでヒットした虚淵作品は、どれもが1クール以上のテレビアニメで製作されており、なおかつヒット後は映画でも続編が公開されています。

その点では、十分な時間をかけてより精緻に各登場人物の内面描写に迫る、そのために各戦闘や外部環境の変化が描写されるにすぎません。このように、一定の時間をもってしてやっとその重厚なストーリー性を観客に伝えることができるのです。

今回、3部作とは言え映画によるストーリー展開のみでした。虚淵作品の魅力を伝えるために、映画3本では足りなかったのかもしれません*2

 

※『ヴェノム』が参考になりそう

これまでの作品イメージを覆すことに成功しつつ、非常に面白いコンテンツとなっている点で、直近公開中の『ヴェノム』が参考になりそうです。

悪の権化のはずのヴェノムがお茶目でかわいい。

www.finance-neko.com

 

 


 

*1:ライバルだったはずの『ガメラ』はすでに消えてしまいました。

*2:でもよく考えると映画2時間×3本=6時間だし、アニメ1クールだと30分×12=360分(6時間)で同じ気も…。