久しぶりにマンガ喫茶に行って 『東京タラレバ娘』を読んできました。面白いですね。
男の恋愛応援マンガ『モテキ』が好きな自分としては、同年代の男女の恋愛観の違いが興味深かったので2作品を比べてみたいと思います。
『モテキ』はまず夢を見せ、『タラレバ娘』はまず現実を突きつける
2作品の全体的な世界観は対照的です。
これは男女の現代恋愛観が大きく異なっていることを反映しているからだと考えられます。
『モテキ』は童貞に訪れたモテ期がテーマ。
これまでモテなかった主人公藤本幸世があらゆる女性の知り合いからモテ始める(?)話。大前提として、これまで決してうまくいってなかった恋愛が突然うまくいくので、基本的に希望に満ち溢れてます。ただ、悲しいかな、最後の最後にうまくいきません。
これが童貞か…。
対して、『東京タラレバ娘』。
決して、これまでの恋愛がうまくいかなかったわけではない。ですが、色々悩んで選べずにいる間に30代。周りが幸せになっていく中、すでに女子力を飾る気もない3人は居酒屋で残った者同士「〇〇たら」「〇〇れば」と夢を語ります。
それを見たイケメンの謎の常連に「タラレバ女」と命名されます。
選び続けたタラレバ女には、ことあるごとに自分たちの置かれた現実が突きつきつけられます。ときおり幸せになるかと思わせて、一気に突き落す。
女性の方が現実に対してシビアです。
男は選べず30代。女は選び過ぎて30代。
2作品を比べておいてなんですが、男女の違いはさておき、そもそも彼らは恋愛市場でのプレイヤー層が違います。
『モテキ』幸世は、30代これまでもモテなかった層。恋愛負け組です。
『東京タラレバ娘』の3人は、20代の頃は、決してモテなかったわけではありません(この意味では幸世の比較対象は、いつかちゃん30歳バージョンの方が適切かもしれません)。
①異性との交際経験(20・30 代未婚の男女)
②結婚に対する意向(20~40 代未婚の男女)
明治安田生活福祉研究所の2016年の調査では、20代男性の約半数、30代でも4割近くが「交際経験なし」(グラフ①青色)。対して、女性は、20代では、34%いる恋愛未経験者も30代までには25.7%まで縮小します。
また、結婚に関しては、「できるだけ早く結婚したい」(グラフ②青色)と「いつか結婚したい」(グラフ②水色)を合わせた層は、男性は20代~30代までほぼ変わらず40%前後。対して、女性は、20代で59.0%、30代で45.7%となっています。
30代男女では交際経験値と結婚に対する意識に大きな開きがあり、この中心的な層の違いがそれぞれに受けるマンガの違いに表れているように思います。
つまり、
・男性側は、全然モテず、交際経験0で20代を終えようとしていることに悶々としている層。結婚を考える以前にとりあえず童貞を卒業したい。
・女性側は、恋愛は20代では困らない程度に経験してきたものの、それゆえによりよい男性を求めていつの間にか結婚から遠ざかっている層。結婚願望が強いだけに彼氏に求めるものも妥協ができずにいる。
といった感じです。
これはやはり、女性の場合は体力的な面で出産適齢期があり、逆算して結婚しておきたいと考える年齢があるというのが大きいと思います。男性も「将来は結婚したい」「子どもと幸せな家庭を築きたい」と漠然と考えたり、周囲がどんどん結婚していくと焦りは出てくるでしょうが、女性ほどのプレッシャーはないのではないでしょうか。
まとめ:女性マンガ家からみた恋愛
最近では男女平等が意識されてきています。
しかし、2作品がそれぞれ人気を得たという点から、「男女の恋愛観」の中心にはまだまだ大きな開きがあるようです。
いや、むしろこの恋愛観は決して交わらないのかもしれません。
あえて、語弊を恐れずに言うと、この差は生物としての男女の差を反映しているように思います。
(あんまり言うとジェンダー界隈の人から批判を受けそうですが…)
ただ、2作品について面白いのは、どちらも女性マンガ家の作品なんですよね。
これは、単純にそれぞれ自分たちの立場で見ているものを描いたわけではないという意味で興味深いです(男性から見た女性の恋愛観も気になるところ)。
察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方
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