最後にこれだけは言わせて欲しい

ダラダラ出来なくなった金融マンの遺言

知らないことへの向き合い方

仕事というものは、よほど定型化された業務でない限り未知の連続だと思っています。

だからこそ、未知の事象に遭遇した際の向き合い方が「仕事ができる」とされる上で非常に重要ではないでしょうか。

 

この未知の事象への向き合い方は大きく2つに分かれます。

分からないとそのまま放置するか、分からないなりに答えを探しに行くか。

 

「分からない」ことを乗り越えていくためには、いかに「分かること」に分解していくかが重要です。

一見して「分からない事象」も、細かく論点を分割していくと、理解可能な論点、取り組み可能なタスクが見えてくるものです。

手の付けようがないタスクが残っても、実は、ほかの事例と比較すると手掛かりが見えてきます。仮説をたて実際に作業し、失敗すれば改善すればよいだけのこと。

 

文章に書いてみると当たり前のことなのですが、実際にできる人は意外に少ないというのが仕事を通じての印象です。ほとんどの人が指示待ちであり、期限の決まった具体的なタスク以外は処理できません。

 

しかし、付加価値の高い面白い仕事ほど、誰もが正解を知らない「分からないこと」であり、それを達成するための明確な期限もなければルールも存在しません。

知識やスキルも重要ではありますが、そもそもこういう物事へのスタンス、好奇心を持てるかと言ったところで大きな差が生まれるように思います。

 

漠然としている問題ですが、大事なことなので備忘として。

読書案内:『ニムロッド』に対する感想

2018年に芥川賞を受賞した『ニムロッド』。

仮想通貨を題材にした小説で純文学賞を受賞するという快挙を成し遂げたということですが、短い小説の中にさまざまなものが詰め込まれていました。

 

第160回芥川賞受賞 ニムロッド

第160回芥川賞受賞 ニムロッド

 

 

1.あらすじ

あらすじは以下の通り。

仮想通貨採掘を任されたIT企業社員と鬱から回復した同僚、IBで世界を駆け回る彼女の3人の間のコミュニケーション。
IT企業でサーバーメンテナンス業務を担う「僕」(中本哲史=ナカモトサトシ)は、ある日社長から”ビットコインの採掘”を命じられる。
無から有を生み出す仮想通貨採掘を興味深く取り組み始めた一方、同僚の荷室からは不可思議なLINEが送られてくる。彼は鬱で仕事を休業後、現在は名古屋オフィスで復帰している。鬱の原因は定かではないが、僕は彼の執筆活動が原因だと考えていた。そんな彼から最近送られてくるのは、”ダメな”飛行機コレクション"。ネットが出典らしいこのシリーズの目的は不明。ただ、僕の彼女である田久保紀子は、この奇妙なLINEやニムロッドという存在にいたく関心を持つ。紀子は、外資系金融機関でFAとして世界中を飛び回る。そんな才色兼備の彼女には過去の離婚歴と堕胎歴がある。今でも、その記憶から睡眠薬が手放せない。
ある日、僕の"感情を伴わない涙"という不思議な現象を通じて、"不完全な"3人が交錯する。

仮想通貨をテーマとして扱っているあたりに時代性を感じます。

こういった作品が純文学として受賞する時代なんですね…

 

続きを読む